『漠然とした不安に急に襲われる』
『常に時間に追われている感覚がある』
『なぜかいつも気持ちがそわそわしている』
『不安や焦りを感じて眠れなくなることがある』
『特に立て込んでいる事がないのに漠然と不安や焦りを感じる』
こんな経験したことありませんか?
理由なき不安、原因不明の焦燥感や危機感、もやもや、そわそわ……。
その原因はもしかしたらマルチタスク、さらに具体的に言えばスマホかもしれませんよ?
不安には2種類ある
不安には、
- 原因がわかってる不安
- 原因がわからない不安
の2種類があります。
1.原因がわかってる不安
『もし失敗したらどうしよう』『バカにされたらどうしよう』『トラブルが起きたらどうしよう』
こういったものが原因がわかっている、つまり正体がわかってる不安ですね。
不安の対象がはっきりしてるので、状況や起こりうるトラブル、出来事に対するリスクを把握して適切に対処すればある程度不安を軽減することができます。

2.原因がわからない不安
問題はこっち。
原因がわからない、つまり不安の正体がわからない場合には対策しようがありませんよね。
逆に言えば正体さえわかれば対策できるってことです。
対象がなくなれば不安は解消される
不安を感じるということは、何かしら対象が存在するということです。
対象がなくなれば自然と不安は解消されますし、不安を感じる必要もありません。
たとえば仕事で重要な会議があり、そこでプレゼンしなくちゃいけないとしましょう。
失敗するかもしれない、緊張して上手く喋れないかもしれない、否定的な態度を取られるかもしれない——。
そうやって不安や焦りを感じることもあるかもしれませんが、いざプレゼンが終わってしまうと、
『なんだ案外楽勝だったな』とか『思っていたより平気だったな』とか思っちゃうものなんですよ。
あれほど感じていた不安や焦りはどこへやら。もう超すっきり。腸内環境まですっきり、みたいな。
通常不安は対象がなくなると自然と消えるものなんです。
漠然とした不安の正体はマルチタスクだった?
漠然とした不安を感じるのって、案外暇な時とか休みの日とかが多くないですか?
忙しいとそんなことを考える余裕さえないですもんね。
精神的にプレッシャーもなければ、差し迫って解決しなければならない問題もない。
そんな休みの日に出さえ漠然とした不安や焦りを感じる。
その原因はマルチタスクかもしれませんぞ?
マルチタスクは今すぐやめたほうがいい
マルチタスクってのは、複数の作業を同時にもしくは短期間に並行して切り替えながら実行することですね。
「ながら作業」って言ったほうがわかりやすいでしょうか。一見効率的に思える、このマルチタスク。
ところがどっこいマルチタスクは今すぐやめるべき超非効率的な行為なんですよ。
- 生産性が40%落ちる
- 作業ミスが50%増える
- シングルタスクに比べ作業時間が50%長くなる
これだけでも「マルチタスクは今すぐやめるべき」ってことがわかるんじゃないでしょうか。
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マルチタスクは脳に悪い|やめれば仕事の生産性が40%アップする
脳は未完のものを意識する
人間の脳って未完のもの、つまり達成できていないことや中断していることに強い記憶や印象を持つ性質があるんです。
完了していない作業を考え続けたり、続行したり、そういう「ながら作業」を無意識のうちにやっちゃってる。つまり作業が飽和状態になってる。
中途半端な状態でタスクを何個も抱えてしまうと、意識があちこちに分散してしまって、目の前のことに集中できなくなってしまうんですね。
いわば脳の大事なリソースをマルチタスクに喰われちゃってる状態です。
マルチタスクが漠然とした不安や焦りを誘発する
マルチタスクは非常に効率が悪い、でも新しい刺激を得るのにはぴったりな方法なんです。
つまりマルチタスクは充実感や満足感こそ得られるものの、常にたくさんのタスクを抱えている状態ってこと。
脳がたくさんの仕事を中途半端に抱え込んじゃってるから、漠然とした不安や焦りを感じちゃうんです。
そんな状態で休もうと思っても、頭の中ではいろいろなことを解決しようと脳ががんばっちゃってるのでロクに休めませんよね。
スマホはマルチタスクが当たり前
『えーマルチタスクとかやってないよ?』って思う人もいるかも知れませんが、実はスマホこそがマルチタスクそのものなんです。
気になるニュースをチェックして、いろいろなサイトやブログを見て、次は友人のSNS、LINEが鳴ったらアプリを開いて、と思ったらYouTube……。
効率的に情報収集をしているようにも思えますが、脳にとってはめちゃくちゃよくない。
この状態はいわば「情報を浅く広く」仕入れてる状態です。つまり意識があっちゃこっちゃに分散してる。物事に集中しなくて済む。
逆に言えば物事に集中できなくなる、集中できなくなっていくってことですね。こわい。
スマホによるマルチタスクはスマホ依存を引き起こす
マルチタスクは脳の認知機能全般に悪影響を及ぼす1ことがわかっています。
集中力が低下し、誘惑に弱くなり、脳は新しい刺激を求めるようになるんです。
これによって「スマホ→マルチタスク→脳にダメージ→スマホ」という悪循環が生まれてしまう、と。
気がついたら頭悪くなってるし、集中できなくなってるし、スマホに依存してるしで、もう散々な結果が待ち受けているってわけ。
SNSには気をつけろ
特にSNSには気をつけたほうがいいです。
TwitterのTLで新しいツイートが更新されてないか、30分も1時間もTLでぼーっとしてませんか?
時間を無駄にしているとは思いつつも、SNSで時間を無駄にしちゃう。わかっているのにやめられない。
その罪悪感もよくないですし、SNSそのものもメンタルによくないということが判明してるんですよね。
オーストラリアのインスブルック大学によると、Faccebookに費やす時間が多い人ほど気分が落ちやすかった2ってな研究結果が出ています。
「ネットを見ていただけのユーザーには気分の落ち込みは確認されず、SNSユーザーのみ幸福感が減った」とのこと。
研究者によると、SNSは他人への妬みの感情を誘発したり、人生への不満が増大したりするそうで、その結果気分が沈んだりするケースが多いのだとか。
「SNSの使用時間を1日30分に抑えると気分の落ち込みと孤独感が減少する3」ということなので、思い当たる方は利用時間を制限するように心がけてみてくださいね。
漠然とした不安や焦りを解消するためには?
何よりもスマホのせいで時間が分断されてしまっていることが最大の問題です。
意識的にひとつのことをじっくり考える時間を作るようにしましょう。スマホを使うなと言っているわけではなく、用途を決めるってことですね。
たしかにスマホは便利ですが、すべての機能を使おうとせずに、自分の生活がより豊かになる使い方ができればそれでいいんじゃないでしょうか。
AppleのCEOであるティム・クックさんも『みんなiPhone使いすぎじゃね?ちょっと一旦そこに置こうぜ?』って言ってますし4。
具体的な対策方法
- SNSの用途や使い方を見直す
- ひとつのことに集中する機会を意識的に増やす
- LINEやメールをチェックする時間をあらかじめ決めておく
マルチタスクを止めてひとつの作業に30〜50分ほど集中し続けることを意識しましょう。
そうすることで創造力や集中力を取り戻すことができますし、散歩や音楽鑑賞をすれば脳がリラックスモードに入ることもわかってます5。
不安や焦りは準備を促すためのもの
そもそも不安は何らかの準備を促すためのものです。テスト近い→勉強してない→ヤバい(焦る)みたいな。
ちょっとここで「不安」と「恐怖」と「焦り」の違いについて考えてみましょうか。
不安と恐怖と焦りの違いとそれぞれの対策方法
不安の特徴・対策
- 対象は漠然としている
- 未来の出来事に対して抱くもの
- 対策・対処がわからない場合に起こる
- 何かをしなければならないときに起こる
対策
恐怖の特徴・対策
- 対象ははっきりしている
- 現在直面している出来事に対して抱くもの
- 危機的状況であり、すぐに対処が必要である
- どうしなければならないかがある程度決まっている
対策
焦りの特徴・対策
- 対象ははっきりしている
- 近い将来に対して抱くもの
- 準備不足、もしくは気持ちが向いていない
- 何らかの対応が必要だと感じているときに起こる
対策
感情には目的が存在している
不安にしろ、恐怖にしろ、焦りにしろ、感情は行動を促すためのものです。必ず目的が存在します。
その目的を達成するために必要な準備をしているに過ぎないんですよ。
考えるべきこととか、準備すべきこととか、はたまた過度なストレスを感じているという警告かもしれません。
環境が変わらずとも、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでいる場合もあります。
未来は今日の積み重ね。今日できる最善に全力を尽くす、ってのが大事なんじゃないでしょうかね。
Q.特に朝、漠然とした不安や焦りを感じるんだが?
A.朝は脳が冴えてるからね
朝は脳がリフレッシュした状態で、特に神経が鋭いタイミングです。冴えてるんですよ。
良く言えば「自分の思考に集中できる時間帯」、悪くいうと「自分の思考に集中しがちな時間帯」ってこと。
今日起こるであろう出来事とか問題について必要以上に考えちゃうんですね。結果不安や焦りが発生しちゃう、と。
特に朝起きて真っ先にSNSチェックとか一番やっちゃいけないことです。
そもそもSNSだけでも精神的によくない影響がありますし、頭が冴えている状態だと特に悪影響を受けやすい。
漠然とした不安や焦りを感じていないにしても、最優先でやめるべき悪習慣ですよ。
まとめ
僕は精神の専門家ではないので、もしどうしても辛い場合には医師や薬の力を頼りましょう。
考えたってしょうがないことだってたくさんありますし、答えがないものだって人生には腐るほどあります。
あまり深く考えすぎないで。いつかなんとかなる、そんぐらい気楽に過ごせれば一番いいですよね。
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