うつ病

うつ病の完治に向けて改善した5つのこと|治療開始から半年が経ちました

うつ病とPTSDの治療を開始してから半年が経過しました。

まだ本調子とまでは行きませんが、やっと冷静に物を考えられる程度には思考力も戻ってきたので、この機会に治療開始から半年間での精神面や生活の中で心がけていたこと、改善した5つのことをまとめていきたいと思います。

効き目があったと確信を持てる事柄のみ簡潔にまとめていくので、現在うつ病の治療中といった方、もしくは「もしかしたら、うつ病かも?」と思い当たる節のある方はぜひ参考にしてみてください。

【重要度★★★★★】主治医を信頼する

うつ病の寛解率は、およそ90%――つまり、10人に9人は症状が改善する病気です。

一般的に、未治療の場合で6~12ヶ月、適切な治療を受けた場合3~6ヶ月で症状が回復すると言われています。

しかし、うつ病を経験した人の約60%が再発し、多くの場合、回復後2年以内に起こるそうです。

『なんだ、自然に治るのなら、病院に行かずに放っておいても大丈夫だな』と思ってしまいそうなものですが、治療が遅れるとその分だけ「難治化(遷延化)」するリスクも上がってきます。

半年から1年で治りづらくなり、数年経つと症状が固定してしまう」という研究結果もあるので、早期発見・早期治療が重要なのは言うまでもありません。

信じるだけで治療率が3倍アップ?

なかなか症状が改善しない人の共通点は、医師やカウンセラー、あるいは病院そのものに「不信感」を抱いていることだそうです。

実際、主治医を信じるか信じないかで、うつ病の治療率には3倍の差が出るとも言われています。つまり、主治医を信じない場合、3倍だけ治りづらくなるということですね。

抗うつ薬より信頼が大事?

抗うつ薬の投与で6割の人が寛解しますが、これが偽薬――薬理効果のない薬を飲んだ場合でも4割は治ります。このように、基本的には抗うつ薬の薬理効果は2割しかないと言われています。

対して、主治医を信頼した場合は4割の人が治るそうです。つまり、目の前にうつ病の人が10人いたとすると、10人中2人が抗うつ薬だけで治り、4人は「信頼効果(暗示効果)」で治るということですね。

信じるには覚悟を決める

僕はうつ病の他にPTSDも併発しているため、通常の診察に加えてカウンセリング(認知行動療法)も受けています。

ただ、主治医も、カウンセラーも、最初から全面的に信頼できていたかというと、決してそんなことはないです。回数を重ねていくうちにだんだんと信頼が生まれ、いろいろなことを話せるようになっていきました。

うつ病の治療は「覚悟を決める」ということでもあると思います。

自分が病気であることを受け入れ、目の前の医師やカウンセラーを信頼し、絶対に効くんだという確信を持って薬を飲む――。結局はそれが一番の治療になるはずです。

【重要度★★★★★】活動記録をつける

日々の行動を1時間ごとにメモする」という単純な作業にもかかわらず、その効果たるや目を見張るものがあります。

もともとは認知行動療法の一貫として取り入れた手法なのですが、正直に言ってここまで生活が改善されるとは期待以上でした。

記録することの重要性は、ドラッカーの『プロフェッショナルの条件』の3章「時間を管理する」でも取り上げられています。

時間をどのように使っているかを知り、続いて時間の管理に取り組むには、まず時間を記録する必要がある。

P・F. ドラッカー(2000)『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社, p125

うつ病の場合は、ほとんどが「寝ている」や「ぼーっとしていた」という記録になるかもしれませんが、それでもいいのです。

重要なのは記録をすること。たったこれだけで「今もっとも自分が解決しなければ問題」が可視化され、今度の治療方針が決めやすくなります。

何を記録するか?

何もかも記録しようとすると面倒になって続かないので、自分のできる範囲で記録していけば大丈夫です。

僕は主に以下の3つを記録しています。

  1. 睡眠の記録(眠剤を飲んだ時間や昼寝の時間も)
  2. 行動の記録(そのときの眠気%も合わせて記録)
  3. 習慣の記録(毎日の習慣の実行結果を○×で記録)

うつ病の治療を始めて数ヶ月は「睡眠記録」を中心にとっていました。症状の中で大きな悩みとなっていたのが、悪夢や中途覚醒などの「不眠」に関するものだったので、まずはこの点から改善していこうと思ったわけです。

薬の副作用はどうか、眠剤の効き目はどうか、薬は変えるべきか――そういったことを「睡眠の記録」を交えながら、診察のたび主治医と相談していました。

僕は基本的にどれも紙で記録していますが、睡眠に関しては同時にスマホの「睡眠サポートアプリ(Sleep Cycle)」も使用しています。ここは好みに合わせて選ぶといいでしょう。

【配布】活動記録シート

日中の行動を記録すれば睡眠時間も把握できるので、人によっては活動記録だけで十分なこともあるかもしれません。

僕が自作した「活動記録シート」を置いておくので、必要な方はファイルをダウンロードし、印刷してお使いください。1時間ごとの記録で、一週間分のシートになっています。

見本

【重要度★★★★★】朝散歩をする

朝散歩はうつ病における「最強の健康法」と言っても過言ではありません。朝散歩をすることで得られるメリットは主に以下の2つです。

  1. セロトニンの活性化
  2. 体内時計のリセット

セロトニンの活性化

セロトニンが低下するとうつ傾向になり、反対にセロトニンが活性化すると意欲がアップしたり、集中力の高い状態をキープできたりします。

また、睡眠物質であるメラトニンはセロトニンを材料として作られるので、朝散歩によってセロトニンが十分に分泌されることで結果的に睡眠が深まるというわけです。

体内時計のリセット

体内時計をリセットしないとだんだんと眠りにつく時間が遅くなり、やがて昼夜逆転の生活になってしまいます。

体内時計のズレは心身の機能バランスに悪影響を及ぼすため、放っておくとうつ病や睡眠障害、がんなど、さまざまな病気の原因になってしまうんですね。

朝に太陽の光――2,500ルクス以上――を5分ほど浴びることで体内時計をリセットすることができます。

週に1~2回でも効果あり

症状が酷かったときでも、玄関から1歩だけ外に出て太陽の光を浴びることを心がけていました。

うつ病を体験したことがある方ならわかっていただけると思うんですが、基本的に「光」が超苦手になるんですよね。

朝にカーテンを開けるのも億劫で、ましてや散歩なんてできる気がしない。そもそも着替えるのにだって体力が要るし、靴を履くのも面倒――。

わかります。その気持ちめっちゃわかります。なので、できるときだけでいいんです。焦らずゆっくり、だんだんと頻度と時間を改善していけばいいのです。

僕は今でも、寝癖を直す体力がないので帽子をかぶり、着替える体力がないのでパジャマのまま、靴を履く体力がないのでサンダルで散歩、なんて日がたまにあります。

週に1~2回でも効果があるので、ぜひ1分からでも朝散歩を始めてみてください。動いてみて初めて元気になる、みたいな節もありますので。

【重要度★★★★】睡眠を見直す

快適な眠りには、規則正しい生活習慣と、睡眠の知識が必要です。できそうなところから毎日の生活に取り入れることで、だんだんと睡眠の質が改善されていくはずです。

  1. 寝床は眠るためだけに使う
  2. 適度な運動を定期的に行う
  3. 昼寝は午後3時までの20~30分にする
  4. 毎朝、決まった時間に起きるようにする
  5. 寝る時間や睡眠時間にこだわり過ぎない
  6. 夜の明るすぎる照明やスマホの光は避ける

どれも基本的なことばかりですが、これらの点に気をつけることで睡眠薬や睡眠導入剤の効果にも変化が出てきます。

僕も一時期『睡眠薬を飲んでも眠れない……』という悩みに頭を抱えていましたが、以上のポイントを実践し始めたところ、だいぶ睡眠の質が改善されたように思います。

特に避けるべきNG行為としては「長すぎる昼寝」と「寝る前のスマホ」です。この2つは冗談抜きにヤバいです。これだけで悪夢遭遇率が2倍から3倍ほど増え、中途覚醒の頻度もぐっと上がってしまうような気がしますね。

ただし、うつ病では睡眠が必要なフェーズはあると思うので、昼寝に関してはあまり気にしすぎなくても大丈夫だと思います。この点についてはぜひ主治医と相談してみてください。

耳栓が効果あり

眠りが浅い方はおそらく「音」にも敏感なので、一定の睡眠の深さを確保するためにも耳栓をつけることをおすすめします。

耳栓はサイズや材質によって使い心地が微妙に違います。まずはいろいろな種類のものがひとまとめになった「お試しパック」で自分に合ったものを見つけ、それ以降はお気に入りの耳栓の「まとめ買い」するのがお得です。

僕が使っているものは8ペアで500円ほどと安価なものですが、性能としては十分です。汚れたら交換する使い捨てタイプなので気軽に使えますし、聴覚過敏でキツいときでも耳を守ってくれます。

【重要度★★★】日記を書く

日記を書く――文章を書くと頭の中が整理されて、過去や未来に関する問題への対処法が浮かびやすくなります。

辛くなったときやイライラしたとき、事実と感情をそのまま書くだけでも気持ちが楽になるはずですよ。

面倒な場合は、その日あったポジティブなことを3つ書き出す「3行ポジティブ日記」がおすすめです。大事なのは続けることです。

コラム法

認知行動療法の主要なスキルとして有名なのが「コラム法」です。以下の7つの項目をそれぞれ書き出す方法がもっとも基本的な構成になります。

過去や現在、未来の問題にかかわらず応用できますので、ぜひ試してみてください。

  1. 状況:そのときの状況
  2. 気分:そのときの気持ちや感情(感情+%)
  3. 自動思考:瞬間的に浮かんだ考え
  4. 根拠:自動思考を裏付ける事実
  5. 反証:自動思考と矛盾する事実
  6. 適応的思考:バランスのよい別の考え方
  7. 今の気分:考えを変えたときの気分

おすすめはノートやコピー用紙に手書きする方法ですが、手軽なのはアプリですね。

「認知行動療法」や「コラム法」といったキーワードで検索すると同様の機能を持ったアプリが見つかるはずです。いろいろ試して自分に合ったものを見つけてみてください。

まとめ

  • 【重要度★★★★★】主治医を信頼する
  • 【重要度★★★★★】活動記録をつける
  • 【重要度★★★★★】朝散歩をする
  • 【重要度★★★★】睡眠を見直す
  • 【重要度★★★】日記を書く

他にも瞑想をしたり、筋トレをしたりといった好ましい習慣はありますが、これらは「元気が出てきたら」でいいと思ってます。

うつ病がなかなか治らない、もしくは悪化する原因のほとんどは「一気にいろいろなことを変えようとすること」らしいですからね。もっと遊んでいいのです。

いずれにせよ、もっとも確実なのは「主治医やカウンセラーと相談しながら今後の方針を決める」ことです。

その中で、自分にできそうなことを少しずつ探していって、ポジティブな行動をひとつずつ増やしていく――。結局はこれが治療の一番大事なことなのではないかなと思います。

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