うつ病

うつ病から立ち直るきっかけは「受容」と「休養」でした

まだ「うつ病から立ち直ったぞ!」と自信を持って言えるわけではないのですが、半年前に比べて症状はかなり改善され、心身ともに調子の良い日が多くなってきています。

ふと「うつ病から立ち直るきっかけ」についてぼんやりと考えていたところ、2つの重要なファクターがあることに気が付きました。

それが『受容』と『休養』です。要は、病気を受け入れることと、病気の治療のために休むこと。なんてことはない、ごく自然に思いつくような事柄ですが、結局はこの2つに尽きると思うんですよね。

うつ病と出会うまで

病気と本気で向き合うことを決心したのは、数年間にわたって続く『超S級とにかくヤバい悪夢ナイトメア』に耐えかねて精神科に駆け込んだときでした。

いくら生活習慣を改善しても一向に止む気配がなく、もはや何かしらの呪術の類、あるいは粘着質な幽霊、はたまたタチの悪い妖怪の仕業かと考えたこともありました。しかし、時は21世紀――精神病者が拷問の末に断罪され処刑されたルネサンス時代とは違うのです。

初めはただ『睡眠薬を処方してもらえばいいや』という軽い心持ちだったものの、問診が進んでいくにつれ、どうやら自分が「うつ病」であるらしいことが判明します。

このとき、薬やカウンセリングに頼らず「『自力で治す』という選択肢」もあったのですが、一日でも早く症状が治まればそれに越したことはないので、この機会に本格的な治療を進めていくことにしました。

なお、精神科を受診するまでの経緯は別記事にて詳しくまとめています。

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うつ病に気付くことの重要性

うつ病と診断されたことは正直ショックでしたが、なんというか、安心した気持ちもあったんですよね。

眠ろうとしても眠れないし、夜中に何度も目が覚めるし、起き上がるのも億劫だし、外にも出られない、本も読めない、ゲームをする気にもなれず、大好きなアニメすら観れない――。

思考力や記憶力の低下など、頭が働かない・回らないといった自覚は薄々あったので、それらが「うつ病のせい」だということがわかっただけでも気持ちが多少は楽になりました。

"自分のせい"ではなく"病気のせい"

それまでは、ただ単に自分が怠けているだけなのだとか、自分の能力が低いからなのだとか、自分は他の人よりも劣っているだけなのだからとか、そういった考えがぐるぐると頭を駆け巡るばかりの日々でした。

それが「自分はうつ病なのだ」ということを認めると、これまでの心身の不調の原因が"病気のせいだった"とハッキリしますし、今後の対処や対策方法も考えることができます。

要は、もやもやしている何か分からないものだからこそ恐怖や不安を感じるのであって、その正体を突き止めることができれば――何らかの"名前"を与えることができれば、対応の仕方はいくらでもあるということです。

病気の『受容』には時間がかかる

自分がうつ病であると認めることはとても勇気のいることですし、不安や恐怖もあると思います。

ただ、少なくとも僕の場合は「自分がうつ病である」ということがわかってホッとしました。この表現が正しいかわからないのですが、調子が悪いのはすべて病気のせい、と割り切ることができたんですよね。

『今自分に起きているあらゆる不調は何もかもうつ病のせい。しいては脳のバグ、つまり仕方のないことなのだ』というように。

ネガティブな考えや感情、倦怠感にやる気の消失、騒音や光に対する極度な拒否反応――。これまで「自分の能力不足による不調」だったものが、一気に「単なる病気の症状」となり、良い意味で病気に責任転嫁をすることが可能になったというわけです。

うつ病を受け入れるまで「3ヶ月」かかった

自分がうつ病であるということ、それを受け入れた上で治療に専念する覚悟を持つということ、これらが"病気と向き合う"ことなのであれば、僕はこの段階に来るまで3ヶ月ほどかかりました。それほど病気を受け入れることは難しいということです。

うつ病も他の病気と同様、早期発見が重要です。発症直後に治療することができれば治りやすくなるものの、半年から1年で治りづらくなり、数年経つと症状が固定化(難治化・遷延化)してしまう可能性があります。

そういった意味でも、自分が「うつ病をはじめとした何らかの精神疾患」であるかもしれないという疑念をお持ちの方は、一度、専門の医療機関を受診されることをおすすめします。病気の有無が分かるだけでも安心しますので。

うつ病の治し方は存在するのか?

うつ病は一般的に、未治療の場合で6〜12ヶ月、適切な治療を受けた場合3〜6ヶ月で症状が回復すると言われています。

しかし、うつ病を経験した人の約60%が再発し、多くの場合、回復後2年以内に起こるそうです。どう治療していくかだけでなく、いかに再発を防ぐかということも重要なんですね。

僕の場合はうつ病だけでなくPTSDも併発――むしろPTSDから来るうつ病――していたのですが、主な治療は以下の2つを選択しました。

  1. 投薬(抗うつ薬と眠剤)
  2. カウンセリング(認知処理療法と認知行動療法)

カウンセリングを受けるかは悩んだものの、病気の再発を防ぐといったこと意味でも『認知行動療法』について学んでおいて損はないだろう、と判断しました。お金はかかりますが、今後の人生への投資と割り切れば安いものです。

特に『病気の受容』という点では、カウンセリングを受けていてよかったなと思う場面が多かったです。誰かに自分の悩みをまるごと打ち明ける――対話や自己開示によって整理される思考というのもありますからね。

うつ病のための『休養』を考える

自分がうつ病であるとわかってからは、ひたすら休むこと、何もしないことを徹底しました。以下、それぞれ重要なポイントをまとめました。

仕事しながら克服できるか

結論から言うと、僕の場合は休職を選びました。自営業ということもあり、休養のために仕事を休むという選択肢が容易に取れたことはせめてもの救いでした。

――とは言ったものの、もともと、海外から日本に帰国してから実家に引きこもり気味で、ほとんど外界から隔絶された環境で暮らしていたので生活自体にあまり大きな変化はありません。今思えばその頃からうつ病だったのかもしれませんね。

どちらにせよ、あらゆる仕事や用事などはすべてストップせざるを得ませんでした。それほど心身に悪影響が出始めていましたし、まだ症状が改善されていない状況で無理をしても状況が悪化するだけだと考えました。

おそらく、無理に仕事をしたところで『自分はなんて仕事ができない人間なんだろう……』と自己嫌悪に陥り、落ち込むだけ。それならば、いっそのこと「うつ病の症状が回復するまで仕事はしないぞ」と割り切ってしまったほうが精神的にも楽でしょう。

「とにかく寝る」は正解なのか?

「"ひたすら寝る"は正解か?」という点についてですが、僕の持論としては「一日のうち何かひとつ目標を達成しさえすれば、ずっと寝てていい」です。

「やる気」なんてものは、実は"あって、ないようなもの"で、たとえ一歩でも踏み出すことができれば、あとは「転がる石」のように進んでいくものです。

ただし、うつ病の場合、その石がめちゃくちゃ重く、道中も常時ハードモード状態なのでほとんど前に進むことができません。むしろ、時に後退しさえする始末です。

目標を"ひとつ"決めてそれを実行する

しかし、何もせずその場に留まったままでは一向に状況は解決しません。ずっと寝ててもいいですが、少なくとも何かひとつ目標を決めてそれを実行するといいでしょう。

目標と言ってもそんなに大きなものでなくとも構いません。僕なんて「一日に一度は玄関の外に一歩だけでも出る」が当面の目標でしたから。いや、これは冗談ではなく。

靴を履いて、玄関を開けて、一歩でも外に出て太陽の光を1秒でも浴びたら今日のノルマはクリア、ということにしてました。症状が酷いときにはこれすらもできなくて凹みましたが。

「休む」を"やる"ということ

僕の場合は、薬の副作用のせいもあったのか、治療を開始してから数ヶ月は「一日中ずっと寝てる」といった日々が続いていました。

半年経った今ではだいぶ日中の活動時間が増えてきましたが、以前は何にしてもまったくやる気が起きず、朝起きれない、昼を過ぎてもベッドから起き上がれないといった調子でした。

昼間ほとんど寝ていた状態なので当然と言えば当然なのですが、夜、睡眠薬を飲んでも眠れないなんてこともしょっちゅうありました。

これが「休む」ということなのかはわかりませんが、僕にとっては「ひたすら寝ること」が治療であり、休養であり、他ならぬ休むことだったわけです。

だんだんと日中の活動を増やしていくことは何よりも重要なことですが、間違いなく「睡眠だけが解決できる問題」はあると感じています。"寝ること"は他のもので代替不可能な"れっきとした治療"です。

主治医とカウンセラーを無条件で信じる

「うつ状態の自分の頭は、思考力や判断力に大幅なリミッターがかかっている」と認識していたので、病気の治療にあたっては無条件で主治医とカウンセラーを信頼することにしていました。このことが『受容』と『休養』に大きく好影響を与えてくれたと感じています。

薬の副作用や睡眠状態、過去の嫌な記憶など、どんなに些細な悩みでも過去・未来・現在問わずになんでも相談していました。

初めのうちは『こんなこと相談して良いのかな』とか『これは別に話さなくてもいいか』と自分の内にしまい込んでいたものもあったものの、いざ話してみると「自分の中で引っ掛かっている大きな問題の"糸口"だった」というケースもあったんですよね。

話さないよりかは、すべて話してしまったほうが楽になれますし、今後の方針にも役立つと思います。別に話したくないことは無理に話さなくていいので。

まとめ

おそらく自分のことを受け入れられている人はうつ病にはならないでしょうし、自分の状態を把握して休むことができる人は精神疾患にはならないでしょう。

"うつ病の治療"という点だけではなく、"うつ病の再発を防ぐ"といった意味でも『受容』と『休養』の2つのテーマは大きな課題だと言えるのかもしれません。

病気や自分自身、過去のことなど、すべて受け入れて前に進むというのはとても困難で、時間のかかる作業です。

『受容』のためには「考える時間」が必要になり、考える時間を確保するためには『休養』が必要になる――。つまり、受容と休養はセットで考えなくてはいけないものなんですよね。

もしかすると休むということに罪悪感を持ってしまう方もいるかもしれませんが、"休む"ということは逃げや怠けなのではなく、立派な治療の一貫であり、問題を受け入れるための大事な準備期間なのです。

自分も「いつ病気が寛解し、平和な日常生活が送れるようになるだろうか?」という不安と闘いながら、治療のための「休む」を日々、実践しています。

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