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運を引き寄せる科学的な方法は存在するか?言葉と習慣で運を動かす

運を引き寄せる科学的な方法は存在するのか?」という問いに対する僕の考えは、イエスです。

ただし、「運をあげる科学的な方法が存在すると思うか?」と問われれば、ノーと答えるでしょう。

一見矛盾しているようですが、「運を引き寄せる方法」と「運をあげる方法」では、それぞれ異なる性質を持つと考えています。

「運」という言葉の定義から考えてみると分かりやすいでしょう。

精選版 日本国語大辞典を引くと、

うん【運】〘名〙
①幸、不幸などをもたらし、状況を動かしていく、人の力ではどうすることもできない作用。巡り合わせ。運命。

とあります。

運とは本来、人の力では到達し得ない領域のことを指すものです。運をあげることは人の力ではできませんし、そもそも科学の領域ではありません。

ただ、運そのものが人の力に及ばないものだとしても、運を引き寄せることは人の力でもできそうだとは思いませんか?

言い換えるなら、「運を直接的に・・・・あげる方法はないけれど、運を引き寄せて間接的に・・・・運をあげる方法はあるのではないか」ということです。

「わたしって男運ないんだよね」

冒頭で運という言葉の定義について触れましたが、普段の生活においては、運は広義に——いろいろな意味合いで——解釈されます。

例えば、「わたしって男運ないんだよね」という場合の、運です。

これは果たして、「わたしは男を見る目がないのです」という自虐と自戒が込められた心理的なものなのか、それとも、「付き合う男が総じてろくでなしでした」という純粋な確率による物理的なものなのか。

彼女が持つ何らかの性質——例えば、クズな男を引き寄せてしまう性質、もしくはマトモだった男をクズにしてしまう性質——が要因になっている可能性も捨てきれません。

「『一人の人間が一人の人間に出会う可能性は73億分の1——つまり、俺たちが出会ったのは運命だったんだぜ』と言われてキュンとしたけど、いざ付き合ってみたらクズ男でした」

というように、かつては「73億分の1の運命とさえ感じていた幸運」が、いきなり「73億分の1の天変地異クラスの不運」に急変することも十二分に考えられます。

いずれにせよ、こうした心理的、物理的、ありとあらゆる要素をまとめて分かりやすくパッケージングしたものを、一般的に「運」と呼ぶのだと僕は解釈しています。

運には大きく分けて2種類ある

運というものは解釈可能な幅が広い概念なので、いいものも、悪いものも、「運」という同じ箱の中にごちゃ混ぜにしてまとめて置いておけます。

つまり、悪いことが起きれば運のせい・・・・にできますし、いいことが起きれば運のおかげ・・・・・にできるのです。これは、広義な言葉の持つ大きなメリットとも言えるでしょう。

ただ、今回のテーマはあくまで「運を引き寄せる科学的な方法」なので、まずは「運」を構成する要素をできるだけ大まかに分けて考えていきます。

運は大きく分けて2種類に分類できます。

「運」は2種類ある

  • 物理的、客観的なもの
  • 心理的、主観的なもの

「わたしって男運ないんだよね」の例で考えると、「付き合う男が総じてろくでなしでした」が物理的、客観的なもの、「わたしは男を見る目がないのです」が心理的、主観的なもの、と言えるでしょうか。

物理的、客観的に運を捉えると、それは「運を構成する要素を理解する」や「運そのものの絶対的法則を証明する」という話になってしまいますので、運を引き寄せるというテーマとは違うものになってしまいます。

物理学や量子力学といった分野に関してはそれぞれの専門家に任せることとし、ここからは「専門知識を持たない一般人でも可能なアプローチ」について考えていきます。

運を引き寄せる科学的な方法とは?

幸い、自分の意識や思考、行動、習慣などを変えることは——すべてではないにしろ——科学的な方法によって可能になります。

意識や思考、習慣で言えば心理学や脳科学、哲学の分野になるでしょうし、確率や統計で言えば、数学や物理学の分野になるでしょう。

——つまり、運と呼ばれているものを、科学と非科学で切り分けてみるのです。

そうすると、これまで「運」だと思っていた概念にも、科学的な方法によって、自分の力で変えられそうなものが見えてきませんか?

それは、「行動」や「思考」という言葉に置き換えられるかもしれませんし、知識や経験から生まれる「発想力」や「創造力」といったものかもしれません。

国外逃亡の例を「運」の視点から考える

例えば、「何らかの罪の容疑で逮捕、起訴されたものの、国外逃亡を図り、成功した」というケースを考えた場合、たしかに一言で「運がいい」と言えるでしょう。

ただ、その「運」を構成する要素を分解して考えてみると、「元グリーンベレーのお友達がいた」「プライベートジェットを持っていた」「空港のセキュリティが甘かった」「楽器用の箱に入った」などが挙げられます。

一見成功する見込みのない無茶な作戦に思われるようなものだったとしても、そこには高度な情報分析と綿密な計画、友好関係の構築、タイミングの見極め、発想の転換等々が確実に大きな要素として関係しているはずです。

いくら鬼のような強運の持ち主だったとしても、偶然元グリーンベレーのお友達に出会い、たまたまちょうどいいサイズの箱に入ってしまって、図らずも自家用ジェットに乗ってしまい、あれよあれよと国外逃亡が成功する形となってしまった、という可能性は限りなくゼロに近い。

つまり、「少なからず運の要素はあったにせよ、成功を裏づける要因の大部分が運以外の要素にあった」と言えます。

考えうる、できる限りの準備をした上で、初めて「運」という要素が問題にできるということですね。

「運がいい」「運が悪い」はすべて主観的なもの

運という存在が科学的に証明されていない以上、対象が自分か他人かに関わらず、「運がいい」「運が悪い」はすべて主観的なものに過ぎません。

主観的なものである以上、運に何らかのアプローチを試みる場合においても、一人の人間としての範疇はんちゅうを超えて行うことはできないのです。

簡単に言うと、運を引き寄せるためには、自分を変えるしかないということですね。

仮に運が何らかの物理的な法則に基づいて働いていたとしても、現代の科学ではそれを認知することはできませんし、法則を捻じ曲げることもできません。

人間にできることと言えば、運に対し、自分の意識や思考、行動、習慣などを通じて、間接的にアプローチすることだけです。それ以上でも、それ以下でもありません。

言葉と習慣から運を動かす

僕は物理学者でも、数学者でも、脳科学者でもありませんが、専門知識を持たない一般人でも、運に対してのアプローチは可能だと考えています。

繰り返しになりますが、「運がいい」「運が悪い」が主観の問題であることには変わりないので、運を引き寄せるためには自分の思考や行動を変えるしかありません。

つまり、運を動かすためには、言葉と習慣によってアプローチするしかないわけですね。

「なんだよ、結局は精神論かよ」と思われた方もいるかもしれませんが、その精神論と思しき概念さえも、現代においては「脳科学」や「心理学」によって科学的根拠が示されている場合があります。

逆に言うと、「脳科学と心理学が、一般の人が可能な『運へのアプローチ』と言えるのではないか?」ということですね。

それがいくら精神論のようなものだとしても、事実や数字によって客観的かつ論理的に導き出された結論であるなら、それはそれで科学的根拠として受け取るほかありません。

シャーロック・ホームズの言葉を借りると、「不可能なものを取り除いたあとに残ったもの——それがいかにあり得そうになくても——それが必ず真実なのだ」という感じですかね。

「脳や心理の仕組みがどうであれ、研究によって科学的に証明されているんだったら、とりあえず信じてみるか」というスタンスでいいのではないでしょうか?

「引き寄せの法則」はスピリチュアルなものか?

「引き寄せの法則」は、簡単に言えば、「いいことを考えればいいことを引き寄せ、悪いことを考えれば悪いことを考える」という成功論のひとつです。

これは、脳科学や認知科学、心理学で言う「プライミング効果」——つまり、言葉が行動に影響を与える効果によって説明できます。

例えば、ジョン・バルフらが行った実験によってプライミング効果が実証されていることが確認できるでしょう。

ニューヨーク大学の学生に、5つの単語のセットから短文を作るように指示します。

その際、あるグループには単語の中に「禿げ」「忘れっぽい」「シワ」など、高齢者を連想させるような単語を混ぜておきます。

文章作成のテストのあと、学生を次の部屋へと移動させるのですが、実はこの移動速度が実験の目的なのです。

移動速度を計測すると、高齢者を連想させる単語で文章を作成したグループは、他のグループよりも歩く速度が遅くなるという結果になりました。

高齢者を連想させる言葉を与えただけで、「ゆっくり」というプライム効果——つまり、歩く速度が遅くなるという行動につながったんですね。

シンクロニシティ(共時性)はただの偶然なのか?

シンクロニシティとは、スイスの精神科医・心理学者カール・グスタフ・ユングが提唱した概念で、「意味のある偶然の一致」を指します。

つまり、因果関係のない2つの事象が「類似性」や「近接性」を持つこと——いわゆる、虫の知らせのようなものですね。日本語では、「共時性」や「同時性」と訳されることが多いです。

よく聞く一卵性双生児の非局所的相互作用1のような場合を除き、シンクロニシティは「カクテルパーティー効果」によって説明できる部分があります。

たくさんの人がそれぞれに雑談している中にいても、自分が興味のある人の会話だったり、自分の名前が聞こえたときなどは、自然と聞き取ることができますよね?

これが「カクテルパーティ効果」と呼ばれる——選択的注意の代表例の現象です。

突然ですが、以下の動画を観て、「白いユニフォームのチーム」が「何回パスをするかを数えてみて」ください。

selective attention test

正解は15回です。

実は、「白いユニフォームのチームが何回パスをするかを数えてみて」という問いは、動画を観る人の注意を誘導させるためでした。

この実験の趣旨は、バスケットボールとは何ら関係のない「ゴリラの着ぐるみ」に気づけるかどうか、です。

ゴリラが堂々と歩いているにも関わらず、ほとんどの人はその存在に気づかない——。

選択的注意による効果を分かりやすく示した動画だと言えます。

カクテルパーティ効果は、シンクロニシティだけでなく、引き寄せの法則にも当てはまるでしょう。

笑う門には福来たる

不安や心配は人間の注意を逸らし、総じてよくない結果を招き、反対に、よい心持ちでいると不思議といいことが舞い込んできます。

英ハートフォードシャー大学で心理学を教えるリチャード・ワイズマン教授は、10年間にわたって「不運な人と幸運な人の違いは何か?」を解き明かすために数多くの実験を行ってきました。

その結果、導き出された答えは、「どうやら自分で運がいいと思ってる人は——第三者から見ても——実際に運がいいらしいぞ2」でした。

日本には「笑う門には福来たる」ということわざがありますが、まさにその通りですね。

現代語訳すると、「良い事があってこその笑顔じゃなくて 笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら それが良い事の 序章です」かな?(Mr.Children『PADDLE』から抜粋)

水が低きに流れるように、夏がすぎたら秋が来るように、自然の理——運への道ってやつは案外身近にあるものなのかもしれませんね。

まとめ

今の時代はインターネットや書籍を介して、心理学や脳科学はもちろん、さまざまな情報へアクセスできる時代です。この恵まれた環境を使わない手はありません。

南カリフォルニア大学のウェンディ・ウッド教授によると、「毎日の行動の40%は、自動化された無意識の習慣によるもの3」と言われています。

運を引き寄せるために、まずは朝の30分によい習慣を取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか?

バカにできない「朝30分」の魅力とは?朝時間に取り入れてよかった7つの習慣

他にも、

という記事もかいてますので、この機会に人間の脳の不思議について学んでみてくださいね。

【脳から紐解く直感力】勘が鋭い、はスピリチュアルと言い切れるか?
目の錯覚はどうして起こるのか?錯視が生じる理由は「脳による視覚世界の大規模再解釈」だった


  1. 「ある双子——一卵性双生児——がお互い離れて暮らしていたにも関わらず、同じ時期に同じ趣味や仕事を始めていた」という例。
  2. The loser's guide to getting lucky
  3. How we form habits, change existing ones - ScienceDaily

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