2021年4月半ばにうつ病と診断され、2022年7月まで薬物治療とカウンセリングを受けていました。そして、2023年4月──。
結論から言うと、うつ病再発しました。
草。
[!]この記事はセンシティブな表現を含む可能性があるため、精神状態が良くない人は閲覧を避けてくだちい。
再発シグナル御三家
医師から「あー、再発したね君^^」と明言されたわけではないですが、脳がね、脳が違うんですよ。
どういった症状があって『再発』と定義するのかは人によって異なるとは思いますが、僕の場合はとても分かりやすい。
- 15時間以上の睡眠
- R18指定ばりの悪夢
- スナック菓子感覚の希死念慮
精神科に足を運ぶまでは「死にたいと思ったり、悪夢を見たりするのは誰にでもあることでしょw」と考えていた時期もありました。
──が、どうやら普通の人は日常生活の中でそんな頻繁に死にたくならないらしい。毎日のように悪夢も見ないらしい。
理性だけは引き渡してはならない
ただし、僕の感じる「死にたい」は、例えるなら「コーラ飲みたい」や「ポテチ食いたい」というナチュラルな欲求に近い印象があります。
確かに死にたいと感じていることは事実であり、無意識のうちに複数経路の"How to Die"を検討していることもある。
しかし、僕自身は今、幸いにも希死念慮や悪夢障害といったものを、心──つまり、脳の病気による症状であると頭できちんと理解することができています。
だからこそ、本気で自ら命を断ったりはしないだろうと思っているし、そういった症状が現れたとしても「あー、はいはい。また君か。ちょっと落ち着こうね」と冷静に対処できるわけです。
苦しくない、辛くないと言えば嘘になりますが、何の対処法も知らなかった頃に比べると、この病気の攻略法はずいぶんと楽になりました。
症状が軽い理由
再発したと実感はあるものの、以前と比べてかなり症状は軽いように思います。かろうじて風呂には入れるレベルなので。
僕の場合は虐待やいじめなどによる複雑性PTSDも抱えているので、一概にうつ病だけによる症状であるとは言い切れませんが。
症状が軽い理由として有力なのは、以下の4つ。
- 朝散歩:15分~
- 瞑想:5分~
- 日記:3行~
- ひろゆき:1匹~
朝散歩・瞑想・日記に関しては、うつ病の治療においてよく言われていることなので、割愛します。
重要なのは、4つ目のひろゆき。
まあ、結論、頭の中に一匹のひろゆきを飼えってことなんですよ、えぇ。
うつ病は本能バグ
雑に言えば、うつ病は「本能的な脳のバグ」と定義することができるように思います。
本能的には自滅の道を望んでいるけれど、理性的には自滅を望んでいることが幻想であると理解できている、という状態。
脳や心、身体、魂といったものはすべからく不可分であり、結局は同一のものを指す言葉ですが、僕が直面している症状に限って言えば、あえて抽象的な概念を持ち出すことで問題を単純化することができるのではないかと考えています。
自分で分かりやすく整理できれば神でも悪魔でもなんでもいいんですが、僕の場合は「心が病気に侵されているなら、頭でねじ伏せればいいじゃない」といったマリーアントワネット式アプローチ法が性に合っていました。
自分で言うのもなんですが、僕は「心に潜む自己矛盾を"見せかけの論理"を用いてその場しのぎで正当化することができる」ぐらいには言語能力が高いです。
つまり、心の中で勃発している戦争を、適当なストーリーを付けて分かりやすくし、不要な箇所はカット、整合性が保たれるように編集しているということ。
戦争を止めることはできませんが、その戦争に対しての解釈や意味付けは、後付けでできます。そして、その選択権や編集権限は僕らが持っている。
で、その編集者のモデルとしては、ひろゆきが最適ってこと。
自分は自分のほとんどのことをコントロールできない
症状があまりに酷いときは脳がまともに動かないですが、そういうときは自滅するための体力さえないので、むしろ心配は少ない。
ただし、少し体力が戻ってきて、頭も多少は動くようになってくると、ポジティブな気分で自滅しようとするのでとても危ないのです。
「一匹のひろゆき」を脳の端っこにでも飼っておくと、どんなに理不尽なムーブを心が取ったしても『それってあなたの感想ですよね?』でハイ、論破。
自分の身体だから、自分の脳だからと言って、自分がすべてコントロールできるとは限りません。
ましてや、心などという得体の知れないシステムをコントロールしようとすること自体がナンセンス。釈迦でも助走つけて懇願するレベル。
そんなあやふやで曖昧な心と自分とを同一化してしまうから良くないのです。
脳はストーリーを作る天才
過去に起きたことは過去でしかなく変えられないし、今、心の中で起きていることは"今"起きていることでしかない。
そして、心の中で起きていることは、必ずしも自分の本意ではないということ。むしろ、十中八九、頭の中で勝手に創作されたことと言ってもいいです。
人間の脳はストーリーを作る天才なので、どうでもいいこととどうでもいいことを結びつけては、脳にとって都合のいいように解釈しちまいやがります。
これは人間である以上避けられないプログラムであり、特にうつ病である場合には、その傾向が負の方向に振れがち。
だからといって、心を無視したり、過去にあった出来事に蓋をしようとすると、今は大丈夫でも数年後に突然ダムが決壊したりするから厄介なのです。
出来事のパッケージング
過去と向き合いつつ、自己の同一性を保ち、心と折り合いを付けるためには「出来事のパッケージング」が必要不可欠です。
人は「よく分からないもの」に恐怖を抱く生き物であり、これまで身の回りのあらゆる物体や現象に様々な名前をアホほど付けてきました。
名前のないものを連想してと言われても、名前がないのだから連想できるはずもなく、もし仮に現代で名前がないものがあるとすればそれはまだ人間に認知されていない何かです。
名前を付ければ、例え、そのものの正体が分からないとしても、多少は恐怖心が和らぐ。これが人間の持つ『言霊の力』です。決してスピリチュアルな話ではなく。
まだ人類が槍を持ってマンモスをハンティングしていた時代、夜はガチ闇だったことでしょう。洞窟で複数人で固まってブルブル震えながら過ごしていたかもしれない。
しかし、そのガチ闇の中では「グルルルゥ……」という、得体の知れない動物の唸り声らしき音が聞こえてくる。とてつもない恐怖。
──が、ひとたび誰かが「あれはライオンという生き物の唸り声だよ」と言えば、それを聞いた人は「あ、そうか。あれはライオンという生き物の唸り声だったのか」と怖いながらも納得することでしょう。
確かに危険性という意味では何も解決していないし、相手の正体を知ったところで何も対策を講じなければ意味はありません。
それでも、あらゆる行動や考えは「対象に名前を付ける」という行為から始まります。
映画『エクソシスト』などの悪魔祓いのシーンでも、まず神父は取り憑いている悪魔の"名前"を聞き出そうとしますが、端的に言えば、あれもそんな感じ。知らんけど。
いずれにせよ、相手が「心」とかいうよく分からない流動的なものでも、そこで起きていることに名前を付けてパッケージにし、自分の分かりやすい形で管理すれば、幾分かは楽になるというものです。
結論、頭の中に一匹のひろゆきを飼え
YouTubeでひろゆきが喋ってるのを見たことがある人は分かると思うんですが、ひろゆきの話の展開の仕方って最強なんですよね。
一見、それっぽく、論理的に聞こえるけど、よくよく考えるとそんなに筋の通ったことを言ってないし、勝ち目のないと踏んだ議論では微妙に論点をズラしつつも、自分の得意な分野や方向性に話全体を持っていったかと思えば「それってあなたの感想ですよね」でゲームセット。
誤解を恐れずに言うのであれば、人を煙に巻くスキルが異常に高い。
こういったスキルを持つ人は他にも多くいますが、ひろゆきはその中でも汎用性が高く、再現もしやすい。
脳なんて、結局はそれらしい原因と結果さえあれば満足するシステムなので、どんどん新しいストーリーを書き加えていっていいのです。
必要なのは「適当な理由」と「もっともらしい解釈」と「納得できるストーリー」の3つ。
ここで重要なのは、これらがあくまでも"脳にとって"ということ。決して"自分にとって"ではなくていい。
結局は脳も心も自分なわけですが、精神疾患においては脳がバグって馬鹿になっている状態なので、無理してそれを自分自身だなんて思わなくていい。
大切なのは、脳が馬鹿になっているということを承知した上で、馬鹿になっている脳をひたすら俯瞰し、観察し続けるということ。
脳がバグっているのは仕方がない。だって、そういう病気なんですもの。
しかし、それに引っ張られて、理性的な頭までもバグに侵されてしまうことはどうしても避けたいわけです。
だからこそ、あえてバグ脳を俯瞰的に観察し、ひたすら「ひろゆき方式」で新たな解釈を与え続け、ストーリーを更新し続ける必要があるというわけ。
まあ、やってることは「認知の解釈の再検討」であり、認知行動療法の一環に似たことかもしれませんが、僕は非常に有効な手段だと考えています。
ChatGPTにひろゆき演じてもらえばいいんじゃない
ただし、自分の心を俯瞰して、その都度、ひろゆきっぽく適当でいい加減な解釈を与えることは慣れないと難しいので、どうしても自分で考えることが難しい場合は、ChatGPTにひろゆきっぽく認知の再解釈をしてもらえばいいのではないかなと思います。
何なら、ChatGPTに今の自分が抱えてる悩みやら不安やらをぜんぶぶちまけた上で「ひろゆきっぽく回答して」とか言えばいいんじゃないですかね。
「AIひろゆき」を使って認知行動療法とかやったら、かなりうつ病に効くと思うんだよなぁ。
認知処理療法ならこの本がおすすめ。カウンセラーに勧められて実践したけど、効果てきめんだった。まあ、調子悪い人は大人しく病院行こう。