シェアリングエコノミーとは、インターネットを通じて、個人対個人でモノや場所、知識、技術などを取引するサービスの総称です。
これまでのビジネススタイルと言えば、事業者が消費者に対してサービスを提供する「BtoC(Business to Consumer)」でしたが、シェアリングエコノミーの場合、基本的には個人間で取引を行う「CtoC(Consumer to Consumer)」という形になります。
日本におけるシェアリングエコノミーの市場規模は、2020年度で2兆1,004億円、2030年度には14兆1,526億円に拡大すると予測されています。
今回は、今後確実に訪れるであろう「シェアリングエコノミーな生き方」について考えていきたいと思います。
5つのシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミー協会では主な事業を以下の5種類に分類しています。
- モノのシェア(フリマ・レンタルなど)
- 空間のシェア(ホームシェア・駐車場・会議室など)
- 移動のシェア(カーシェア・ライドシェア・シェアサイクルなど)
- スキルのシェア(家事・介護・育児・知識など)
- お金のシェア(クラウドファンディングなど)
https://sharing-economy.jp/ja/20201210
メルカリやUber eats、ココナラあたりがわかりやすい例でしょうか。今ではすっかり日常生活に浸透していますよね。
加速するシェアリングエコノミーな生き方
特に若い世代では、車や家、自転車、洋服、家電もレンタルが当たり前になってきているように感じます。
「モノを買って所有するよりも、共有したり、再利用したりしたほうがお得だから」といった価値観になってきているのかもしれませんね。
いつでも、なんでも手に入る時代だからこそ「所有すること」の価値が薄れ、シェアリングの方向に傾きつつあるとも考えられます。
ココナラやランサーズなど、モノ以外にも知識やスキルもシェアの対象になっていますし、自分の手元だけに置いておくという価値観はすでに古くなりつつあるとも言えそうです。YouTubeやブログ記事というのも考えようによってはひとつのシェアの形かもしれません。
また、シェアリングエコノミーではモノを必要以上に消費せずに済むので、環境に配慮した形に自然と向かっていきますよね。この点も大きなメリットのひとつです。
シェアが当たり前の時代だからこそ
シェアの精神が溢れた世界になっていけばいくほど、多くの人に「シェアは当たり前」という考えが広がっていくでしょうし、実際そうなっているように感じます。
この流れの要因としては「個人レベルでの豊かさが向上したことで他人や組織への貢献意識が高まっているから」とも言えそうですし、「災害やウイルス、環境破壊についての知識レベルが上がったことにより、助け合い・分かち合いのボランティア精神が広がっているから」とも言えそうですね。
いずれにせよシェアリングエコノミーの流れは今後さらに加速していくのは間違いないないでしょう。
実際に体験した人気のシェアリングエコノミーサービスを紹介
僕が実際に体験したシェアリングエコノミーサービスを紹介します。海外での経験も含まれているため、日本ではまだ馴染みのないサービスもあります。
Airbnb
ニューヨークに1週間滞在したときはAirbnbを使って見つけた家に宿泊させていただきました。
シェアといっても、古かったり、汚かったりといったことはなく、いわゆる普通のお家です。むしろ、アメリカ――しかもニューヨークというバリバリの中心街なので、日本のお家よりだいぶ豪華でしたね。
テレビやソファ、ベッド、冷蔵庫などの家具は揃っていて、スーパーや観光地へのアクセスもよく、非常に快適でした。
ちなみにこれはAirbnbではないのですが、フィリピンに住んでいたときに借りていた部屋も家具・家電付きでしたね。
日本では賃貸と言ってもあまり家具家電が置いているイメージはありませんが、もしかしたらこれからは家具家電付きの賃貸物件が主流になってくるかもしれません。
日本の場合はOYO LIFEがその位置にあたるサービスと言えますが、実際のところはどうなんでしょう。興味ありますね。
自転車シェアリング(シェアサイクル)サービス
日本ではドコモ・バイクシェアが提供する自転車シェアリングサービスがありますね。
Web登録をした後、交通系ICカードで解錠――乗りたいときに乗り、行った場所で返却できるという交通手段のひとつです。
ドコモ・シェアバイク自体の利用はないのですが、ハワイにあるbikiというシェアサイクルは少しレンタル方法が変わっていました。
自転車が複数台置いてあるステーションには料金を支払うための機械が設置してあり、そこでプランを選び、その場で料金を支払うといったシステムです。
プランは時間で分かれていて、30分以内一回のみ3.5ドル、月利用30分以内回数無制限15ドル・60分以内回数無制限25ドル、300分時間内回数制限なし20ドル――となっていました。
正直、特にこだわりがなければ、自転車や車などの乗り物はシェアで十分だと個人的には考えています。
配車サービス
UberやGrabなど――いわゆる個人タクシーですね。フィリピンでも、アメリカでも、ハワイでも、シンガポールでも頻繁に移動手段として使っていました。
専用のアプリから近くにいる車、車種、金額、評価などを確認できるので、車に乗ったあと余計な金額交渉や言葉のやり取りをせずに済みます。
特に東南アジアでタクシーをよく利用していた経験から言うと、割と金額交渉はストレスになるんですよね。その点、配車サービスはそういった心配がないので安心です。
配車サービスは基本的に自家用車で行うので、ドライバーによって車のこだわりの違いを見られることも面白いポイントでした。
日本では、自家用車を使った有償での運送を行うためには許可の取得が必要なため、まだまだ浸透していない印象です。法規制緩和の動きもあるそうなので、今後に期待したいところですね。
まとめ
シェアリングエコノミーサービス――まだまだ痒いところに届かない印象はありますが、これからさらに広がっていくでしょうし、もっと便利になっていくはずです。
個人的には家電のシェア――ルンバやコーヒーメーカーなど――に興味があります。家電は毎年新しい型が出てくるので、いっそシェアをしたほうが最新の機器を使えるので効率がいいと思うんですよね。
こういった風に大多数の人がシェアの方向に流れていけば、お金や時間の節約にも通じるので結果的に豊かになっていくんじゃないかな、と予想しています。
モノが売れなくなるという心配もありますが、売れるモノのジャンルがシフトしていくだけで、全体的に見たときの経済効果は上昇していきそうですしね。
このままAIが普及していき、シェアリングエコノミーが浸透していき、キャッシュレス、デジタルトランスフォーメーションが一般化していき、その先どういった生き方が待っているかと言えば「遊びに溢れた生き方」しかないと僕は思っています。それも消費者目線での遊びではなく、どちらかと言えば生産者側、創り出すほうの遊びです。
世界がどんな姿に変わっていくのか、楽しみで仕方ありませんね。