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スマホによる脳疲労の原因とメカニズム

現代社会において増加傾向にある「脳疲労」と呼ばれる現象──。

この問題は、スマホやその他のデジタルデバイスの長時間の使用によって引き起こされる精神的なストレス、あるいは脳機能の問題に関連しています。

特に、SNSの頻繁な利用や断片的な情報を繰り返し消費する行為が、この問題の主な原因と指摘されています。

今回は、こういった脳疲労が具体的にどのようなメカニズムで起きるのかをまとめていきたいと思います。

なぜ他のデジタル機器に比べてスマホが問題視されているのか──。読書や映画鑑賞によっても同様の脳疲労は起きるのか──。

脳疲労とは?

脳疲労とは、情報過多やストレスによって脳が疲労している状態のことで、長期間続くと、脳に悪影響を及ぼす恐れがあります。

例えば、思考力、記憶力、集中力などの認知機能の低下、あるいは、頭痛、動悸、息切れ、めまい、下痢、便秘などの自律神経の乱れ──などです。

つまり、筋肉を酷使すると筋肉痛になるのと同様、脳も使い過ぎると機能が正常に働かなくなるということですね。

脳疲労が起きる原因

脳疲労が起きる原因は主に3つです。

  1. 注意散漫
  2. 即時性の欲求
  3. 睡眠の質の低下

1.注意散漫

ネットコンテンツの多くは、短いスパンで刺激的な情報を提供します。

このような状況は、ユーザーの注意が散漫になりやすく、結果として集中力の維持が困難になるという問題を引き起こします。

特に、複数のタスクに同時に取り組む──マルチタスク──において、この影響は顕著に現れます。

注意散漫の習慣が長期的に続くと、深い思考や集中力を必要とするタスクの処理能力が低下する可能性があります。

2.即時性の欲求

ゲームやSNSは、即時的な報酬──いいねやコメント、通知など──を提供します。

これが、喜びや快楽、意欲をもたらす働きを持つ脳内ホルモン、特に「ドーパミン」と呼ばれる物質の急激な放出を引き起こします。

ドーパミンは、快楽を感じるための脳内ホルモンで、特定の行動から快感を得ると、その行動を繰り返したいという欲求を促します。

このドーパミンの放出によって、スマホを繰り返しチェックする行動に引き寄せられ、それが習慣化することでスマホ依存の循環が生まれます。

結果的に、現実世界でのタスクや活動が退屈に感じられたり、報酬が得られるまでに時間のかかる行動の重要性が軽視されてしまう原因となってしまうのです。

3.睡眠の質の低下

ハーバード大学の研究*によると、スマホの画面から放出されるブルーライトには、メラトニンの分泌を抑制し、睡眠サイクルを乱す作用があるとされています。

この影響によって睡眠の質が低下し、日中の疲労や集中力の低下を引き起こす可能性があります。

ただし、どちらかと言うと、スマホの利用に伴う精神的な興奮、あるいは、ネガティブな情報のインプットによるストレスや不安の増加の方が深刻かと思われます。

脳疲労はなぜ起きるのか

脳疲労が起きるメカニズムを以下にまとめます。

  • Ⅰ:情報過多
    スマホからもたらされる情報の波に脳が溺れる。処理が追い付かず、疲労する。
  • Ⅱ:高速のタスク切り替え
    一度に様々なタスク──動画視聴、メールのチェックなど──をこなすと脳が混乱し、疲労する。
  • Ⅲ:即時報酬の誘惑
    スマホゲームやSNSの通知は一時的に幸せを感じさせるものの、これが繰り返されると脳は疲労し、普段の活動が退屈になる。
  • Ⅳ:睡眠不足
    スマホの利用によって睡眠の質が低下し、脳が疲労する。

つまり、注意散漫、即時性の欲求、睡眠の質の低下など、これらの問題が脳に過度のストレスを与え、最終的に脳疲労を引き起こすのです。

読書やアニメ・映画鑑賞との比較

脳疲労の原因は、スマホそのものではなく、あくまでスマホの使い方──情報過多やタスクの切り替えなど──にあります。

では、読書や映画鑑賞によって脳疲労は引き起こされるのでしょうか?

読書

読書は、集中力や想像力を養う活動とされ、深い思考、あるいは静寂を伴います。

スマホの使用とは異なり、断続的な刺激や即時の報酬が少ないため、脳疲労を引き起こす可能性は比較的低いと考えられます。

ただし、これは読書のみに集中している場合に限りますが。

アニメ・映画鑑賞

アニメや映画の鑑賞においても、読書同様、比較的長いスパンでストーリーが展開するものです。

長時間の視聴による視覚的、身体的な疲労を引き起こす可能性はあるものの、断続的な注意散漫、即時の報酬という点では問題は少ないと言えるでしょう。

そのため、断続的な注意や即時の報酬という点では問題は少ないかもしれませんが、長時間の視聴は視覚疲労や身体的な不活動を引き起こす可能性があります。

「集中」がカギ

いずれにしても、問題となっているのは「短いスパンでのタスク切り替え」とまとめることができるでしょう。

情報過多にしても、即時報酬にしても、一つのことに集中している時間が極端に短く、かつ高速で様々なタスクを切り替えているから問題なのです。

つまり、別にスマホを捨てる必要はなく、意識的に一つのことに集中する習慣を身に付ければいいということ。

読書なら読書、ゲームならゲーム、映画なら映画だけ──と。メールやLINE、SNSに関しても、チェックする時間や回数を明確に決めておけば、さして問題にはならないはずです。

それでも誘惑に打ち勝てないようであればスマホの通知はオフにし、アプリは削除、深刻なようであればアカウントごと消してもいいかもしれません。

現に僕は、SNSの使用はビジネス用途のみと決めているし、いちいち反応することが面倒なため、発言やエンゲージメントも最低限です。

また、X──旧Twitterのタイムライン、トレンド、ニュースなどは全て非表示に、YouTubeのトップページにもおいても「おすすめ動画」やショートなどが表示されないよう、Chromeの拡張機能で設定しています。

まとめ

  • スマホの長時間使用は、精神的ストレスや脳機能の問題を引き起こし、「脳疲労」という状態を招く。
  • 脳疲労の主な症状には、認知機能の低下や自律神経の乱れがあり、頭痛や集中力の低下などを引き起こす。
  • 注意散漫、即時性の欲求、睡眠の質の低下などが、脳疲労の主な原因である。
  • スマホの使用は、ドーパミンの急激な放出を引き起こし、スマホ依存行動を強化する。
  • 脳疲労の予防と対策には、スマホ使用時間の管理や質の高い睡眠の確保が含まれる。

要約すると、スマートフォンの過度な使用は、注意散漫、即時性の欲求、睡眠の質の低下といった脳疲労の主要な原因に直結しています。

対策としては、スマホ使用時間の自己管理、質の良い睡眠の確保、そしてストレス管理の技術を学ぶことが重要だと言えるでしょう。

  • この記事を書いた人

あめぎ

文章を書いています|15年間もの宗教による束縛→いじめ→歌舞伎町バンドマン→2年でブログ収益50万円達成→自転車日本一周の途中でセブ島留学→海外起業→アメリカ大陸横断→富士山登頂→PTSDとうつ病の療養→

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