――今から3年後、2024年になった日本の姿を想像してみます。
きっと身の回りにある家電の多くにAIが搭載されていて、常にインターネットに接続されている状態になっているでしょう。
例えば、冷蔵庫であれば「内部の食材を把握、その中から作れる料理を複数リストアップしてくれる機能」があるかもしれませんし、食材のストックが切れそうな場合には自動で買い物リストに追加しておいてくれるかもしれません。
もちろん買い物をするときにわざわざ店舗へ行く必要もなく、いつでも新鮮な食材がドローン――もしくは空飛ぶ車――で運ばれてきます。
――と、あと3年でここまで辿り着けるかは定かではありませんが、間違いなく「AI・ロボットの仕事」と「人間の仕事」はこれまで以上にはっきりと分担されていくはずです。
AIやロボットというのは、いわば自分のためだけに働いてくれる従業員とも言えますよね。つまり、数年後には誰しもが「自分」という企業を運営する社長になるわけです。
そうなってくると、自然と「どう従業員に動いてもらえば自分がもっと効率よく動けるか?」といったクリエイティブな視点が必要不可欠になってくるでしょう。
便利な機能も使わなければ意味がない
どれだけ優秀な機能が搭載されているデバイスや家電が持っていたとしても、十分に使っていない、使えないのであれば宝の持ち腐れになってしまいますよね。
プログラミングや3Dなどの専門知識が必要な場合にはその限りではありませんが、少なくともそのツールが持っている基本的な機能は押さえておきたいところです。
知らないと損をすることは多い
僕の部屋のシーリングライトにはAlexaが搭載されていて、AmazonのEcho dotやスマホのAlexaから声をかけることで明るさや色合いなどを調整できます。
しかし声で操作するという作業が思っている以上に面倒臭く、「どうにかもっと楽に、自動で明るさや色合いを調整できないものか?」と考えていたんですよね。
そこで初めて「定型アクション(実行条件を設定し、任意のアクションを行わせることができる機能)」というものを知り、時間帯によって自動的に電源のオンオフ、明かり・色合いの調整を行うことができるようになりました。
朝すっきりと目覚めるため、起床時には明かりがMAXになるように、20時からは就寝準備に入るため、明かりを半分にまで落としてくれるように自動設定しています。
これはAlexaの持つ基本的な機能のひとつらしく、今まで知らなかったことが相当悔やまれます。
道具を使う側にも定期的なアップデートが必要
次々と便利な機能を持つ商品が登場しているにも関わらず、それらを十分に使いこなすことができなかったら非常にもったいないですよね。
「機能を使いこなす」ということに執着してしまい、本来やるべきことに目が行かなくなってしまうのは本末転倒ですが、道具を使う側――つまり、僕ら人間側にも定期的なアップデートは必要と言えそうです。
クリエイティブな思考とは「組み合わせ」を考える能力
インターネットで検索すれば、多くのライフハックやアプリの活用法などが出てきます。
しかし、どれが自分にとって最適なものなのか、ということは実際にやってみないとわかりませんし、そのTIPSにもまだ改善の余地があるかもしれません。
「クリエイティブな思考を持つ」ということは「すでにあるもの同士をいかに上手に、おもしろく組み合わせるか?」であると僕は考えています。
例えば、
Q. Alexaの定型アクションをヒントに、もっと身の回りで自動化できるものはないか?
A1. Pythonというプログラミングを勉強すれば、普段の作業の数%ぐらいは自動化できるかも!
A2. リマインダーアプリとURLスキームを組み合わせれば、ライフログやToDoリストの確認を自動化できそう!
――という具合ですかね。
デジタル✕アナログの中からよりおもしろい、便利な組み合わせを探してみてもいいかもしれません。
これは単なる思いつきですが、
あらかじめAmazonで「ご褒美用」のほしいものリストを作っておき、スマホのヘルスケアデータ(歩数など)と連携、目標を達成できたら自動でAmazonほしいものリストが開かれるような仕組みを作っておく――
逆に自分が設定した目標を達成できなかったら、TwitterとInstagramに自分に関する恥ずかしい事柄がアップされるような仕組みを作っておく――
などなど……。考えればいくらでも組み合わせられそうですよね。
こういったクリエイティブな発想というのは、人間にしかできないことです。
拡散的思考と収束的思考を使い分ける
- 自由な発想・アイデアを出しまくる「拡散的思考」
- 突飛なアイデアを排除し、適切なアイデアに集中する「収束的思考」
まずは否定をせず、思いつくままアイデアをどんどんと出していき、その後、的外れのアイデアを排除した上で適切な案にだけ的を絞って集中する――。
ブレインストーミングの基本とも言えますが、拡散的思考の段階において「アイデアを否定をしない」ということは重要なことですよね。
アイデアが出るたびに否定されていたのでは、なかなかアイデアが出てこない……となってしまうのも当然と言えるでしょうし、いつも似たようなアイデアが採用されてしまい、マンネリ化してしまう可能性もあります。
これはグループだけでなく、ひとりのときにする思考でも同じことが言えると思います。
拡散的思考と収束的思考、上手く使い分けて、よりよいアイデアを生み出していきたいものです。
AI時代にクリエイティブさを磨くべきたったひとつの理由
こんな方におすすめ
- AIやロボットは「自分」という企業の従業員である
- 従業員を上手く働かせるためには、まず機能を知る必要がある
- クリエイティブな発想とは、あるものとあるものの組み合わせである
- よりよいアイデアの組み合わせには「拡散的思考」と「収束的思考」が重要
「すでにある機能やツールをどう組み合わせれば、もっと楽に、便利になるだろうか?」
こうしたクリエイティブな思考は素質ではなく、誰しもが持っているものだと僕は思っています。
今後、激しいAI時代に突入しても華麗なスタートダッシュを決めれるよう、今から「クリエイティブ脳を鍛える方法」について考えておいてもいいかもしれませんね。