お金と仕事

2021年はメインコンテンツを売ろうとすると失敗する?

「AIや5G、ブロックチェーンといったテクノロジーによって、時代に急激な変化の波が来ている」ということは誰しも感じていることではないかなと思います。

人工知能への仕事分担やキャッシュレス、車やWebサービス、音楽サービスのサブスク化など、ちょっと考えただけでもこれだけ身の回りで変化が起きています。

2019年には、小学生の将来つきたい職業男子ランキング1位が「YouTuber」(『小学生白書』調査)になったこともあり、これも変化の一つと言えるかもしれませんね。

今やYouTubeやネットで検索すれば、いくらでも役立つ情報が出てきます。本を買わずとも、その本の内容を要約した動画を観ればタダでエッセンスを吸収することが可能です。

つまらない映画やアニメを観て時間を消耗してしまうぐらいなら、レビューや批評、場合によってはネタバレまでをも確認した上で観るかどうか決めている人も多いかもしれません。

つまりこれは、以前に比べて『完成品』が売れなくなっているとも言えます。

アニメや映画だって、月額いくらか払えば何本観ても同じ金額で楽しめますし、こと音楽に関してはYouTubeで聴けばタダですよね。本編よりも関連グッズのほうが売れているなんてことは、今の時代そう珍しくないのかもしれません。

今回は「完成品の売れない時代に『メインコンテンツ』を売ろうとするのは果たして正しい戦略と言えるのか?」ということについてコンテンツビジネスの観点から考えていきます。※個人ないしは少数のグループでコンテンツを制作・発信している場合を想定して話しています。

ネットの発達によってコンテンツのクオリティは均一化されていく

ネットで調べればいくらでもコンテンツの質を上げるノウハウは手に入るので、もちろん素人が作るコンテンツのレベルも上がっていきます。

同時にユーザー側の「よし」とするクオリティも上がっていくので、必然的に経済価値の同質化――つまり、コモディティ化が進んでいくことになります。

2021年YouTuberは稼げなくなる?

たとえば、YouTubeの場合、それぞれのYouTuberはそれぞれ違うチャンネルを持っていますよね。テレビで言うところの「チャンネル」そのものを、です。

テレビの場合はチャンネル数が限られていますが、YouTubeの場合、チャンネルは年々増えていくわけです。

YouTubeは基本的に「動画の再生回数に応じて収益が発生する」という仕組みになっているので、参入者が増えていくにつれてユーザーの可処分時間の奪い合い合戦が激化していきます。

しかしコンテンツを増やそうにもユーザーの求めるクオリティがそれなりに高いため、質のいいコンテンツを量産するためにはかなりの作業が必要になってきます。

でも質のいいコンテンツを作ったからと言って人気YouTuberになれるかと言えば、決してそうではありませんよね。

いつお金が入ってくるかもわからないまま、安定したコンテンツ提供頻度を守りながら膨大な量の作業をこなしていくのは、それなりの覚悟と情熱を持った人でないと難しいです。

「じゃあどうしたら他のYouTuberから抜きん出ることができるのか?」と考えたときやっぱり行き着くのは「差別化」というポイントかと思われます。

「差別化」をはかるにはどうしたら?

先の話にも出てきたとおり、ネットの発達によってコンテンツのクオリティはどんどん同質化していきます。だんだんと「レベルの低いもの」が減っていっているわけですよね。

売れてるYouTuberの「それ何番煎じだよ」という企画やネタをただ模倣しても、残念ながらただのゴミコンテンツができてしまうだけです。

つまり、誰でもがんばればできてしまうような「機能的価値」を高めていく差別化は、もうなかなか違いが生み出せない、飽和状態に達していると言えます。

もし新米YouTuberが本当におもしろい企画を思いついて「機能的価値」を手に入れられたとしても、すでにYouTube界のトップに君臨する強者たちにアイデアを奪われて終わりです。

ストーリー・デザインを売る

機能的価値を高める方向での差別化は、ある一定のラインからあまり差が生まれず、仮に上手く行ったとしても強者にミートされて終了、となることがわかりました。

ではどうやって競合との差別化をはかっていくかというと、ストーリー・デザイン・プロセスといったものが挙げられます。

たとえば、Appleを思い浮かべてもらうとわかりやすいでしょうか。MacやiPhoneはシンプルなデザインが魅力ですよね。

「かっこいい」「オシャレ」「なんとなくシンプルでいい」

処理性能速度やカメラの画質などそういった機能面というよりかは、上記のような「感情」が決め手となってApple製品を使っている人が大勢いるはずです。

Appleはこうしたコンセプトやストーリー、デザインという感情的価値で差別化され、多くの人に選ばれるようになったというわけですね。

プロセスを売る

もう一つは、作品の完成までの過程・プロセスを売るという差別化です。

2020年12月25日、キングコングの西野亮廣さんの『えんとつ町のプペル』のアニメ映画版が公開されましたが、西野さんは「商品よりも物語――つまり完成品よりもプロセスを売る」という手法をとることで利益をあげています。

西野さんのオンラインサロンには約68,000人の会員がいて、月額は1,000円、単純計算すると月の収益は6,800万、ひと記事あたりの売上は220万円という計算になります。

この記事で、西野さん自身のビジネス関連の仮説・検証・レポート、そして商品ができあがるまでの過程・プロセスを書いているんですよね。

まとめ

  • コンテンツに対するユーザーの要求は日に日に高くなっている
  • 質のいいコンテンツを提供するための情報はネットに溢れている
  • 質のいいコンテンが溢れ「機能的価値を高める」という差別化が難しくなる
  • ストーリー・デザイン・プロセスといったものを売ることで「感情的差別化」をはかる必要がある

2021年はもしかすると、メインコンテンツは宣伝と割り切り、商品を作るまでのプロセスを発信したり、自分または自社のストーリー・デザインを丁寧に練って、セルフブランディングに力を入れていったほうがいいのかもしれませんね。

まあ差別化と言っても単に「人と違うことをやる」だけだと「ただの変な人」になってしまいますし、ブランディングと言っても自分の思った通りの印象をユーザーに与えられるかというと決してそうではないとは思うんですけどね。結論としては結局「好きなことやればいい」という身も蓋もない答えに行き着きそうです。

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