無表情かつ一定のリズムで怒鳴る男とすれ違った話

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今日も「空イヤホン」をして外をふらーっと歩いておりました。あ、ニートではないです。

そうしたら遠くから怒鳴り声のようなものが聞こえてきたんですね。
そのとき僕はちょうど50mほどの長さの橋の端にいて、その声の主はどうやら反対側の端からこちらへ向かってきているようでした。

「あぁ、なんだか面白そうだな」と思ったので、僕はその場で座り込んで待つことにしたのです。

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無表情かつ一定のリズムで怒鳴る男

橋の端に座り込み、ドキドキワクワクしながらその声の主がこっちに来るのを楽しみに待っていました。
何人かで歩きながら口喧嘩でもしてるのかと思ったら、どうやら一人らしい。

『お、来た』

白髪で少し髪の薄い、白いタンクトップをきて、黒色の腹巻、グレーの短パン。
少しガタイがいいおじさんが、怒鳴りながら前方からこちらに向かって歩いてくる。

男「ウガーァァン!?!?ッダースッダース!!!!」

僕『!?!?』

もう本当に大きい声。隣を走るトラックにも負けないほどの大声。
ただただ全力。腹の奥からフルパワーで空気を音に変えている感覚。

化け物かこいつ。

何か意味のあるような言葉を繰り返しているようなのですが、どうにも聞き取れない。
雰囲気としては、誰かに怒っているような感じ。すごく「怒りのオーラ」がある。

男「ウガーァァン!?!?ッダース!!!」

身長160cmほどに対し、その声量は2m級、いや、5m級の巨人のそれ。
雄叫びのタイミングはだいたい5秒に一回のペース。とても規則的。

メトロノームが今この場にあるのだとしたら、「カッチ、コッチ、カッチ、コッチ、(ウガーンダース!)、カッチ、コッチ、カッチ、コッチ、(ウガーンダース!)」と、たぶんすごく陽気なリズムを生み出してくれるはず。

当然、時が過ぎていくごとにその男は僕がいる場所に近付いてくるわけで。

『このままここに座ってたら僕も怒られるのかなぁ』とか思いつつも、僕はそこから動きませんでした。何というか、「うるさいものが嫌いだけれど、だからこそ惹きつけられる」感覚だったんですよね。

だんだんと鮮明になっていく表情

近付いてくるにつれて、その男の表情がだんだん鮮明になっていく。

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無 表 情 。

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ひたすらに無。無そのもの。

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顔面に一切の感情がない。生気がない。

こちらには全く気がついていない様子で、ひらすら真っ直ぐ前を見て、一定のペースを保ちつつ怒鳴っていた。

『あぁ。これだけ無表情なのに、ここまですごい怒鳴り方をできるんだな』と、僕は感心しました。

ちょっとばかし、『この人は本当に”生きている人”なんだろうか』とも思いましたが、影はあるし、足もちゃんとあったのでその心配はないはず。

「ウガーァァン!?!?ッダース!!!!」

「ウガーァァン!?!?ッダース!!!!」

「ウガーァァン!?!?ッダース!!!!」

「ウガーァァン!?!?ッダース!!!!」

「ウガーァァン!?!?ッダース!!!!」

そう怒鳴りながら歩いていくおじさんを、その姿が道の向こうに消えるまで見送って僕は帰った。

もしかしたら劇団の人か何かで、発声練習の途中だったのかもしれないですね。
もしそうだとしたら、道端に座り込んでじっと見てくるような僕は、その人にとってはかなり変なやつだったのかもしれない。

申し訳ないことをしたかなぁ。

いや。

うるさかったから別にどっちでもいいか。

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