川で出会った不思議な大工「マイケル」の話

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これは、僕がちょうど高校の卒業を間近に控えた頃の話。

川で「マイケル」という大工に出会い、僕の一生のうちでも特に忘れられない日の一つになった出来事です。

マイケルとの出会い

当時、僕はアウトドアやサバイバルに熱中しており、「ニコニコ動画」でカメ五郎さんの自給自足生活シリーズを見ることにハマっていました。

その影響もあってか、3日に1度は必ず川に遊びに出掛けていたような気がします。

そして、この日も2人の友達と一緒に川で遊んでいました。小さな川魚を釣って、焚き火を起こして焼いて食べていたんですね。

僕たちが焚き火を取り囲んで話していると、大きなビニール袋を両手にぶら下げたオッサン2人組が川の向こう側からこっちに向かってきたんです。

「うわっ、やばい。怒られる!」「えっ!殴られる!?」

咄嗟にそう思ったのを覚えています。

そう。ここに現れたのが「マイケル」と、その同僚。30ちょっと過ぎぐらいのオッサンでした。

「よぉ!」

『……ん?誰かの知り合いか?』

あまりに「マイケル」が気さくに話しかけてきたので、誰かの知り合いかと思ったのですが、友達の反応を見るとどうやら違うようです。

焚き火を取り囲むように座っていた私たち3人は、もちろんその声を無視。
しかし、そんなことはおかまいなしにマイケルたちはこちらに向かってくる。川原の石の上を慣れた感じでバランスを取りながら。

頭には真っ白なタオルを巻いていたのが印象的です。

超いい人「マイケル」

そうして、焚き火の前まで来ると両手のビニール袋をどんっ、とその場に置いて一言。

「懐かしいな!」

『……は?何言ってんだコイツ』

一瞬頭のおかしい人かと思いましたが、どうやら僕たちが焚き火をして魚を食べていることに対して懐かしんでいる様子でした。

しかし、無視。知らない人とは喋ってはいけません、と昔から教育を受けてきましたから。
それでも関係なくベラベラと喋り続けるマイケル。

「俺らも昔、こんなことばっかりしてたっけか!たまたま、お前らが焚き火してるのを見て懐かしくなったもんでさ、ほら、菓子持ってきてやったんだ。食えよ!」

うわ、超いい人じゃん。マイケル。

ちょうど魚の味に飽きていたところだった僕たちは、遠慮もなしに初対面のマイケルが持ってきてくれたお菓子を食べまくりました。コーラも。あと、大人の飲み物も。たくさん。

このことがキッカケとなり、僕たちはマイケルに次第に心を開いていきました。はい、思いっきり物に釣られました。

そして、マイケルたちも焚き火の輪に加わり、5人で色々な話をしました。話を聞くところによると、マイケルたちは東北で家を建てているらしいです。
この川の近くに仕事場がある関係で、今はたまたまこちら(地元)に戻ってきているとのこと。

マイケルはそういった仕事をしているからか、話の内容はほとんど震災の話、原発の話、日本の未来の話など。当然、普段から高校生同士でそんな話を真面目にするわけもなく、ましてや、私自身このことについて真面目に考えたこともありませんでした。

自分で考え、自分の答えを持ち、それを皆に話してみる。おそらく、この日だから、そして、マイケルがいたからこそ、こういったことを真面目に話すことができたのでしょう。震災のことも、原発のことも。

しかし、マイケルは僕たちが高校生だからといって一切手を抜きませんでした。おかしいと思うことはとことん突っ込んでくるし、自分が納得するまで絶対に引かない。

途中、熱くなりすぎて私の友達とマイケルは怒鳴りあいのようにもなっていましたね。

結局、空が真っ暗になるまで話し続けて、最後は仲良く別れました。「また遊ぼうな!」と手を振って。

マイケルが残した言葉たち

「自分の信じた道が正解」「まっすぐ、ブレるな」「やりたいことをやれ」

ものすごくカッコいい「マイケル」の言葉たち。本人がその通りに生きているので、説得力もありました。
ズバリ、変な人でしたね。いい大人なのに高校生の僕たちと本気で語り合って、自分の軸を絶対に曲げず、信じた道をひたすら突っ走る。
それでも、僕はカッコいいと思ったんです。笑ってしまうほど真っ直ぐで、泣けるほど優しくて。

こういった「素敵な人との出会い」も、僕がアウトドアに惹かれる理由なのでしょうね。

まとめ

たった数時間の間でしたが、この川での出来事が、僕の人生において何か重要なもの与えてくれたことには間違いないと思います。

薄暗くなった空、焚き火に照らされてゆらめく僕たちの影、缶を開ける音、川の流れる音、皆の声。一つひとつが美しく、素敵でした。

きっと、今もマイケルは真っ直ぐ自分の信じた道を進んでいることでしょう。
あれから5年。僕は自分の道を真っ直ぐ進めているでしょうか。

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